子役としてデビューし、2011年に放送されたドラマ「マルモのおきて」で人気を博す。同作の主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」では、芦田愛菜とのユニットで歌手デビューも果たし、国民的な人気を得た。その後も映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍し、着実に俳優としてのキャリアを重ねている。近年では、特撮テレビドラマ「仮面ライダーギーツ」、また現在全国公開中の映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』(羽住英一郎監督)などに出演。更に、俳優業と併せて、現在情報番組「ZIP!」の木曜パーソナリティにも出演し、確かな演技力と親しみやすい人柄で幅広い世代から支持を集め、活動の場を多方面へ広げている。
幼少期をアメリカ・ロサンゼルスで過ごし、3歳からダンサーとしてステージに立つ。2013年、初主演映画『琉球バトルロワイヤル』(岸本司監督)では、アクション界からも注目を集めた。以降、映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』(阪元裕吾監督)、映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2』(久保茂昭監督)、映画『孤狼の血』(白石和彌監督)、香港映画『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』(谷垣健治監督)など、話題作に多数出演。高い身体能力を活かしたアクションを得意とし、存在感ある演技で注目を浴びている。
特殊メイク・造形・キャラクターデザイナー。映画『シン・ゴジラ』(樋口真嗣監督)、映画『シン・仮面ライダー』(庵野秀明監督)、映画『ミッドナイトスワン』(三池崇史監督)、映画『ヤクザと家族 The Family』(藤井道人監督)、映画『ゴールデンカムイ』(久保茂昭監督)、映画『あのコはだぁれ?』(清水崇監督)、映画『室町無頼』(入江悠監督)、映画『宝島』(大友啓史監督)などに参加。「ウルトラマン」、「仮面ライダー」など「怪獣・怪人」のデザイン等も担当。
『ヒグマ!!』の公開延期を受けて、フィクションと現実の距離感について改めて考えました。
フィクションは現実には起きて欲しくないことを描きます。ファンタジーであっても現実と繋がるような問題が描かれなければ、観客の心を動かすことはできません。
一方で現実との距離が近過ぎてしまうと、フィクションとして受け止められず、心を過剰に動揺させてしまいます。それは作り手の本意ではありません。現実と距離をとりつつ、しかし現実にある問題と繋がる物語を届けたいです。その案配は繊細で、『ヒグマ!!』が公開延期をせざるを得なかった事情は理解できます。楽しみにされていた方には申し訳ありませんでした。
僕たちはフィクションがなくても生きられます。映画を観なくても、演劇を観なくても、本を読まなくても、生活できます。
でもフィクションがない世界なんて淋し過ぎます。現実にある問題は正解がありません。何が正しくて、間違っているのか、常に頭を悩まされます。考え抜いて選んだ道が正しかったのか、教えてくれる人はいません。霧に包まれた道を恐る恐る歩き進むしかありません。時に息苦しく、心細くなります。
そうしたときに救いとなるのがフィクションです。フィクションは現実に起こりうる問題を掬い取り、物語を紡ぎます。観客は主人公を通じて苦しみ、悲しみ、笑って泣いて、絶望に打ちのめされ、希望を見いだし、社会が抱える病理に気づき、自分とは全く異なる立場の人の背景に思いを馳せ、自分だけが抱えていると思い込んでいた痛みが他の誰かも抱えていたと驚き、形容できない感情と出会い、フィクションにしか浄化できない鬱屈とした感情があることを知ります。フィクションがあるからこそ、僕らは正解のない現実とも向き合って生きていける。そう思っています。
既にヒグマ被害が増加傾向にあった2023年に『ヒグマ!!』という物語を生み出す決心をしたのは、僕たちに必要なフィクションだと確信したからです。ヒグマの恐ろしさを徹底的に描きながら、落ち込んでばかりいられないよと笑い飛ばす明るさがあり、突き抜けるような爽快感に満ちた結末を迎える映画を目指しました。
『ヒグマ!!』の公開が再決定しました。昨今の状況を鑑みると、この作品が完成したことも、公開できることも奇跡のように思います。一緒につくってくれたキャスト・スタッフ、再公開のために尽力してくれた方々、待ってくれていた観客の皆様には感謝しかありません。
2026年の冬に、映画館という暗闇で、同じ時代を生きる人々と、スクリーンで大暴れするヒグマを観る。
そこにはこの瞬間にしかない感動があるはずです。
見逃さないで下さい。